TIP第3期修了生の淺見光樹さんのプロジェクトだった「もみ殻バイオマス地域熱供給プラント」がついに竣工!
淺見さん(シン・エナジー株式会社勤務)は、発注元である秋田県南秋田郡大潟村の組織や地元住民、研究機関、デンマークの機械メーカーやエンジニアリング会社など、多様なステークホルダーと協調しながら、これまでにない、もみ殻をエネルギー(温水)として使いつつ、燃焼後の残渣物を燻炭として土壌改良剤や育苗培土などに活用し、Jクレジットの対象にしていくことを目指すというチャレンジングなプロジェクトを実現に結びつけています。
本プロジェクトは、大潟村で大量発生するもみ殻(稲の実の外皮)を燃料にボイラーで熱を生み出し、その熱を90度の温水にして熱導管を通じて地域のホテルなどに「熱供給」を行うもの。ここではバイオマスを敢えて発電に回すことなく、得られた熱をそのまま活用するところにも特徴があり、発電では失われてしまうエネルギーのロスを低減させる画期的なプラントです。
しかも、ここで使用されたもみ殻は、燃やす際に温度が適度に調整され「くん炭」となるため、残渣すら近隣の農家やホームセンターなどで土壌改良剤として販売できる優れもの。通常、こうした有機物は、微生物に完全に分解されれば、その過程で二酸化炭素やメタンが発生しますが、炭の状態となったまま土中にとどめられれば「炭素固定」となり、温室効果ガスの削減にも寄与します。このプロジェクトでは、そうした炭素固定効果を排出量取引のJクレジットにもできるよう検討中です。
日本有数の米どころである大潟村での「もみ殻の有効活用」は、日本各地でのモデルとなることが期待できます。
探究インテリジェンスセンターでは、このリリースの計画は、熱エネルギーの有効活用の観点から考えても、資源の利用の観点から考えても、国際動向や今後の社会の需要の側面から考えても、画期的なものだと考えています。
現在もますますご活躍中の淺見さん、講座の受講中には積極的に現場最前線のキーマンに接触して回り、この初のプランを実行すべく仮説を具現化、合意を形成していかれました。
「まだ道半ば。まだまだコンセプトの実現のためにはやる事がある。」と語る淺見さん。
センターでは、淺見さんのような探究イノベータを輩出すべく、今後も継続して講座を開講してまいります。
本プレスリリースの詳細は、こちらから。
(シン・エナジー株式会社)